はじめに
ベトナムは「次の成長国」として、たびたび語られます。
製造移転、人口構成、外資流入。数字を見る限り、上昇気流は確かに存在します。
ただし、
成長していることと
立ち続けられることは、同じではありません。
この記事では、
ベトナムがなぜ成長する一方で、
個人の立ち位置が定まりにくいのかを、前提条件から観測します。
1. 成長は「外部要因」によって加速する
ベトナムの成長を押し上げているのは、
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製造拠点の分散
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地政学的な選択
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人件費と人口構成
といった、世界側の都合です。
これは強みである一方、
成長のハンドルを自分たちで握っていないことも意味します。
2. 制度は整いつつあるが、解釈が揺れる
法制度や行政は整備が進んでいます。
しかし現場では、
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地域差
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属人的判断
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解釈の幅
が残っています。
これは混乱ではなく、発展段階の特徴。
ただ、個人が長期で立ち位置を固定するには、
この揺れは無視できません。
3. 信用は「場」に溜まりやすい
ベトナムでは、
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会社
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プロジェクト
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関係性
に信用が溜まりやすく、
個人単位で持ち運べる信用は育ちにくい傾向があります。
場が変われば、評価も変わる。
立ち位置はリセットされやすい。
4. 立ち位置は「流動前提」で設計される
社会全体が成長期にあるため、
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定着より移動
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固定より適応
が合理的になります。
結果として、
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腰を据える
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積み上げる
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固定する
という設計が、構造的に生まれにくい。
5. なぜ「立つ場所」が定まらないのか
まとめると、ベトナムでは、
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成長は外から来る
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制度は流動的
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信用は場に溜まる
この3つが重なっています。
成長しているのに、
立ち続ける感覚が持ちにくい。
このズレが、ベトナムの前提条件です。
結び
ベトナムは、
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間違いなく成長する
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しかし腰を据えにくい
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立ち位置は流動的
という国です。
成長しているかどうかではなく、
どの前提条件で立つのか。
ベトナムは、
その問いを静かに突きつけてくる国です。