はじめに
ドイツは「正しい国」という評価を長く受けてきました。
法制度、労働慣行、社会保障。
どれも理路整然と整備され、信頼性が高い。
しかし近年、
「動きにくくなっている」
という感覚が共有されつつあります。
この記事では、
ドイツがなぜ正しさを維持できているのか、
同時に、なぜ重くなっているのかを
前提条件と立ち位置から観測します。
1. 正しさが制度として完成している
ドイツでは、
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法律
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規則
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労働協約
-
社会保障
が、細部まで整えられています。
これは社会の安定を生みますが、
同時に
「想定外」を受け入れにくい構造でもあります。
2. 制度信用が非常に強い
ドイツの信用は、
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個人より制度
-
例外より原則
-
柔軟性より整合性
に置かれています。
一度制度に乗れば守られる。
しかし制度から外れると、
立ち位置を作り直すコストが高い。
3. 変化は「調整」としてしか起きにくい
ドイツでは変化が起きても、
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一気に変える
-
試してみる
という形にはなりにくい。
必ず、
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検討
-
合意
-
ルール化
を経るため、
変化は常に遅れて現れる。
4. 立ち位置は安定するが、動かしにくい
ドイツの立ち位置は、
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一度決まると強固
-
しかし移動が難しい
という特徴があります。
守られる代わりに、
自分で位置を変える自由度は低い。
5. なぜ「重く」なったのか
まとめると、ドイツでは、
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正しさが積み上がり
-
制度信用が極端に強まり
-
変化が調整化した
結果として、
社会全体が重くなった。
止まっているのではなく、
動くまでに時間がかかる構造です。
結び
ドイツは、
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非常に正しい
-
非常に安定している
-
だが動きにくい
国です。
安定しているかどうかではなく、
いつ、どの程度、動けるのか。
ドイツは、
その問いを制度の重さで示す国です。