過去20年で美容室の倒産が最多。何が起きているのか?

売れない行動を止め、
前提条件と立ち位置を修正し、
売上を取り直すための設計書。

過去20年で、美容室の倒産件数が最多水準になっている。
この現象は、技術力の低下や経営努力の不足として語られやすい。

しかし、ここで観測できるのは個々の店舗の問題ではない。
美容室という業態が成立してきた前提条件の変化である。

これまで美容室は、
・技術の習得に時間がかかる
・地域に固定客がつく
・来店頻度が安定している
という構造の上に成り立っていた。

この構造では、
一度関係が築かれると、
選ばれ続ける前提が成立していた。

現在、その前提が弱まっている。
情報の可視化、価格比較、SNSによる発信によって、
選択は常に更新されるものになった。

技術は、
「身につけたら守られる資産」ではなく、
常に比較される要素に変わっている。

また、出店コストや人件費は上昇する一方で、
価格転嫁は容易ではない。
結果として、
利益構造は薄くなりやすい。

重要なのは、
美容室の数が多すぎるから倒産している、
という単純な話ではない点である。

観測できるのは、
「技術を提供する場所」から
「関係を維持し続ける場」へと
役割が移動している
という変化である。

関係が維持できないと、
立地や技術があっても選ばれ続けにくい。
一方で、
関係が成立している場所は、
規模が小さくても残りやすい。

倒産件数の増加は、
美容業界そのものの衰退というより、
従来の前提で成り立っていた店舗が
構造に合わなくなっている
ことを示している。