2026年以降、AIや自動化の進展によって
「人間の仕事は減るのか、増えるのか」という問いが繰り返されている。
しかし、ここで観測するのは
仕事量の増減そのものではない。
「人間が担ってきた役割の定義」が変わっているという点である。
これまで人間の仕事は、
・作業をこなす
・判断を下す
・結果を出す
といった役割を中心に構成されてきた。
特に判断は、
専門性や経験と結びついて価値を持っていた。
現在、その前提が弱まっている。
作業は自動化され、
判断も高速に代替される場面が増えている。
このとき、「やる事が減る」という感覚が生まれやすい。
一方で、観測できるのは
人間が関与しなければ成立しない領域が
むしろ可視化されているという現象である。
それは、
・前提を設定する
・意味を与える
・責任を引き受ける
・関係を維持する
といった行為である。
これらは、
タスクとして数えにくく、
成果として測りにくい。
しかし、判断や自動化が進むほど、
欠けると成立しなくなる部分でもある。
2026年以降、
人間が「やる事」は
量として増えるか減るかよりも、
性質が変わると観測できる。
手を動かす行為や
選択肢を比較する行為は減る。
その代わり、
どこに立つか、
何を引き受けるか、
何をしないかを決める行為が残る。
重要なのは、
これらの行為が
仕事として認識されにくい点である。
そのため、
「やる事が減った」と感じながら、
実際には別の負荷を引き受けている状態が生まれやすい。
2026年以降に増えるのは、
作業ではなく、
人間にしか戻せない判断の置き場である。
やる事が増えるかどうかは、
何を「やる事」と呼ぶかによって変わる。
観測できるのは、
人間が関与する位置が
より上流へ移動しているという構造である。